ブログ

新発売!久住グリーンドラムのお知らせ

洋酒専門店【NIGHTCAP SPIRITS】をいつもご利用下さいまして誠に有難う御座います。

店主である私が製造技術顧問を勤めます久住蒸留所から初の定番商品がリリースされます。

その名も【久住グリーンドラム】です!

まだまだ知られていない蒸留所かもしれませんが、念のため久住蒸留所のご紹介をさせて頂きます。

 

大分県竹田市に構えます久住蒸留所は2021年に設立されました。

酒販店の【TSUZAKI】が設立した蒸留所で、コロナ過真っ只中の中でスタートした蒸留所です。

久住蒸留所は元々小早川酒造という日本酒蔵の跡地に設立されました。

阿蘇山系の豊富な水源と山間に位置し、冬は寒く、夏は涼しい、日本では寒暖差が少ない場所にあります。

地下水が豊富で、年間平均18℃位の水温が保たれることから、蒸留においての冷却水としても潤沢に使用でき、

日本の水道水を使用している蒸留所よりもヘヴィな原酒を製造することが可能です。

勿論その逆も可能で、両方作り分けできることが久住の強みだと感じております。

【久住蒸留所の内観】

 

ポットスチルはフォーサイス社製で、発酵槽は木桶を採用。

九州とはいえ、夏でも涼しいことから木桶でも発酵が可能です。

貯蔵庫は石蔵のダンネージとラック式の貯蔵庫があります。

 

2021年2月に製造を開始。

初めて出来たスピリッツにみんな涙し、如何にここまでの道のりが険しかったかを想像すると、私も感慨深い経験をさせて頂きました。

私はベンチャーウイスキーを同年1月に退社し、2月からこちらで10か月間製造を任して頂きました。

レシピ造りと安全な製造が出来るマニュアル作成、そして自分の代わりとなるスタッフの育成にも携わらせて頂きました。

今も全てが良い思い出となっております。

今回のウイスキートーク福岡への出展も宇戸田社長からお誘いを頂き出展することが出来ました。

 

そんな久住蒸留所がリリースした定番商品です。

定番商品をリリースするのは何故なのかと思われる方もいるのではないでしょうか???

海外原酒を混ぜてリリースする意味が分からない方も多いでしょうがそれには明確な理由があります。

 

まず一つは定番商品が無いとブレンダーが育ちません。

もう一つは経営が行き詰ってしまいます。

 

一つ目のブレンダーが育たないというのが一番の問題かと思います。

皆様は美味しいウイスキーをブレンドする為にブレンダーがいるのだと思っている方も多いのではないでょうか?

実はそれは50%が正解です。しかしもう50%は不正解となります。

理由と致しましては、ブレンダーも製造と同じで回数をこなし、トライ&エラーを続けていく事でブレンダーとしての仕事が出来るようになっていきます。

ブレンダーは私には経験がありませんが、製造と同じことだと考えています。

美味しい原酒を混ぜれば必ずしも美味しくなるわけではありません。

個性的なモルト原酒は、個性的なゆえに混ぜるのが難しくなります。

それは若い原酒になればなる程だというのはウイスキーを飲まれている方ならご理解頂けるかと思います。

その機会を得るためには定番商品を作り、ブレンダーも製品を作ることを続けていかないと美味しいウイスキー造りは出来ないのです。

シングルカスクだけで勝負するのは生産量が少ない久住蒸留所では正直不可能です。

 

もう一つは結局お金の問題です。

夢も希望もない話で申し訳ありませんが、

一日一日仕込めば仕込むほど電気代、原料代などがかかってきます。

その金額は一日何十万円となります。

それを繰り返さないと製品の原価が下がらずお客様方に適正価格で提供することが難しくなります。

よく少ない生産量で製造をすれば製造免許は取れると仰る経営者の方もいらっしゃいますが

正直免許が取れるだけで消費者のことをどう考えているのかと頭を悩ませてしまいます…。

 

そうすることでニューポットが200mlで1万円。

3年熟成で2万円~3万円という金額になってしまいます。

勿論少ない生産量になるほど原価に跳ね返ってきます。

多分その背負った借金を返済するとなると10年どころでは無く

20年で返せたら早い方かもしれません。

しかし作れば作る程、今後は貯蔵庫が必要になって…。

スタッフも増やして生産量を上げて…。

そうすると排水処理施設の規模を大きくして…。

考えただけで恐ろしくなってきましたのでやめましょう(笑)

それだけ人生をかけた一大プロジェクトなのです。

自分には絶対真似出来ないですね…。

 

一例をあげますと、

自分がベンチャーウイスキーに入社した8年位前はバーボンバレルが1万円位だったのが現在は5万円もしてきます。

それはクラフトディスティラリーの増加と外貨の影響が原因ではありますが、その価格を払っても樽が手に入りにくい状態なのが現実です。

シェリーバットになったら何10万円の世界です(笑)

コンテナ1個に纏めてその価格の為、小さい蒸留所で商社から購入したら更に価格は高くなるでしょう。

樽だけでも値上幅が凄く、輸入に頼らざるを得ない日本では高い原価率となるから日本のウイスキーは高くなるのです。

【久住蒸留所の第一号のリアルソレラバット】

 

どのお酒にも言えることですが、定番商品が売れることで蒸留所を応援することに繋がってきます。

その定番商品が売れることで、蒸留所に技術やノウハウが蓄積され質の高いシングルモルトが出来上がって参ります。

どちらの蒸留所もそうですが皆様のご期待にお答え出来るようスタッフ全員が日々努力し製造を続けております。

 

是非皆様お力添え頂けませんでしょうか???

 

ウイスキートークでの評判も上々だったようです。

実はライトピーテッドのモルトが含まれており、その味わいはハイボールにして分かるくらいと弊社卸売先の酒販店様からもご指摘頂きました。

是非皆様もお探し頂きながらお試し頂けると楽しいのではないかと思います。

 

こんなに内部事情まで言われたら酒が不味くなると言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、

そんなこと正直企業努力ですので気にしないで頂いても構いません(笑)

ただそれだけ飲んで頂けるお客様の為に日々努力していることだけはご理解頂けたら幸いです。

ただブレンデッドモルトなんてそんなまがい物…。

なんて思う方には是非知って頂きたい事実をお伝えしたかったのでこのような事を書かせて頂きました。

ブレンデッドモルトも大事な製品で、酒販店の棚に久住蒸留所の製品が一つでも並んでいることにも意味があるのです。

私も若いながらも良く出来たブレンドだと確信しております。

是非皆様宜しくお願い致します。

6月15日より順次出荷をさせて頂きます。

弊社のamazon店、楽天市場店でも販売させて頂きます。

 

そちらでは送料、モールの手数料込の価格となります。

どちらかお好きな所でお買い求め下さいませ。

 

どうぞ宜しくお願い致します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です