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先週末に九州へ(久住蒸留所編)

 

皆様いつも有難う御座います。

今回は2回目の久住蒸留所の変化(変更点?)について

お伝え出来ればと思います。

まず製造においての変更点は

発酵層が全て木桶に変更されました。

今年の夏に追加されまして、この秋からの仕込みから使用しております。

木桶を採用する蒸留所は桶を育てるところから始まります。

アルコール発酵は酵母が促進してくれますが、乳酸は桶と麦芽から発生します。

使用を重ねることで、乳酸が桶の中に残り、乳酸発酵を促進させてくれます。

ウイスキーの醪は酸が命です。

蒸留酒全般に言えることですが、いかに酸を出せるかで、スピリッツの厚みに

関わってきます。ただ出過ぎてしまうのもいけないので、そこは管理が重要です。

木桶が採用される前はホーローも使っておりましたが、ホーローには乳酸が

あまり残らないので、酸も穏やかでした。

その日のミドルカットもテイスティングさせて頂きましたが、

味わいは格段に変化し、更に個性的で深みのあるスピリッツが

出来るようになっていました。

ホーローも良かったですが、木桶の方が好きなのは、

ベンチャーウイスキーで慣れ親しんでいたからかもしれません。

それでも久住のスピリッツは洗練されていながらも力強い

良いスピリッツでした。

 

次に貯蔵庫は新しいものが完成しておりました。

かなり立派な建物でしてビックリしました(笑)

所謂ラック式というもので、本坊酒造さんでも採用されているものと同じですね。

ボタンを押すと稼働するタイプのものです。

ダンネージ式しか触れたことが無い自分からしたら魔法でしかない…(笑)

よく見るダンネージスタイルですと、一番奥の樽を取るとなると

半日掛かりの大仕事になってしまいます。

ラック式の方が効率は格段に上がります。

ダンネージ式の樽移動は非常に大変です。

こちらがダンネージ式の第一貯蔵庫です。

こちらは石蔵で床はコンクリートです。

 

現在久住蒸留所にある原酒樽は700樽程とのこと。

勿論ブレンデット用の海外原酒も含まれていますが、

1年半でここまで増えたのかと思うと凄いなと思いました。

 

久住というところは阿蘇の湿原が広がるところで、

九州唯一の山岳地帯です。

その為、冬はマイナスになりますが、

夏は30℃程までにしかなりません。

寒暖差が平地の所と比べると少ない分、

エンジェルシェアも穏やかで、湿度がある分、

アルコール度数も他社と比べると下がりやすいのではないかと思います。

 

私が製造に入っていた時と比べると、スピリッツの旨味も増え、

貯蔵庫も完成し、目まぐるしい変化を遂げておりました。

 

今年

久住蒸留所では、大分県産の大麦麦芽で

ウイスキー製造を開始する予定との事。

ここでは明かせませんが、既に古い品種の麦芽も使用していました。

 

久住の特徴は、素晴らしい熟成環境とスピリッツの厚みによるところ。

長い熟成に耐えれるタイプと短熟でも伸びるタイプの製造方法。

熟成を促進させる方法など、私が知り得る手法は全てお伝えして参りました。

そこに、大麦の品種や酵母の使い方など、色々バリエーションのあるスピリッツ

が出来るようになれば、更に面白い蒸留所になることと思います。

その為にはまだまだやらなければいけないことが山積みですが、

飲み手の皆様に喜ばれるようなウイスキーになっていく事と思います。

 

明日は山鹿蒸留所見学についてレポートしたいと思います。

 

久住の樽No.1がこちら!

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