皆様いつも有難う御座います。
本日から4回に分けて九州出張レポートをお送り致します。
1回目 久住蒸留所と私との関係性
2回目 久住蒸留所の変化
3回目 山鹿蒸留所訪問
4回目 山鹿蒸留所見学と製造の拘り
このようなイメージでレポートさせて頂きます。
14日金曜日昼過ぎの飛行機で大分県の久住蒸留所に行って参りました。
15日は熊本の山鹿蒸留所にお邪魔して参りました。
まずは久住蒸留所と私との関係をご説明させて頂きます。
久住蒸留所の社長。宇戸田詳自様とは、私がベンチャーウイスキーに勤務していた時、
製造研修でいらっしゃった際、製造のご指導をさせて頂いたご縁で出会いました。
私がベンチャーウイスキーで製造から徐々に離れ始めていた時、
久住蒸留所の製造を見てくれないか?というご依頼を頂きまして、
肥土伊知郎社長の許可を頂き、ベンチャーウイスキーを昨年1月退社後、
製造技術顧問として昨年2月~12月まで製造の第一線に立たして頂きました。
私と宇戸田社長と設備の設計に携わった武石。設備を担当して頂いた金光さん。
そして助っ人で来て下さいました津貫蒸留所2名とで試行錯誤し、
レシピを決め、現在も色々試行錯誤をしながら造りを続けております。
久住蒸留所は津崎商事という酒類販売店としても有名で、
本坊酒造様とも長いお付き合いがあり、本坊社長からのお心遣いを頂きまして、
お二人が助っ人で来て頂いたそうです。
私自身、蒸留所の立ち上げは初めての経験でしたが、
お二人は津貫の立ち上げを経験されており非常に心強かったです。
製造開始時は設備面やオペレーションの面で上手くいかないことも多かったですが、
正常に運転出来るようになったのにはそんなに時間はかからなかったように思います。
そこでは、製造経験者3名と武石と金光さんとで色々設備的な改良点や製造の問題点を毎日本音でディスカッションし合っていました。
細かい設備面のことですと、この配管からドレインしたい、ここから水を出したい等、
フォーサイス社はスコットランド製の設備で、日本人には理解できない雑な部分があったりするので、
工場で働いている方で海外の設備を使っている方なら、もしかしたら共感して頂けるかもしれません(笑)
ウイスキー製造経験者が揃うと両蒸留所の考え方が違ったりなど色々なディスカッションを行い、
私自身も色々な事にチャレンジし、もしかすると私が今までしてきた製造経験の中で
一番有意義な時間だったような気が今はしています。
久住の造りはイメージして頂くとすると、設備はベンチャーウイスキーの第一蒸留所がベースにあり、
ミリングやマッシングはベンチャーウイスキーベース、発酵は両蒸留所のプロセスを話し合い決め、
ミドルカットはロットによって両蒸留所のカットポイントを使い分けています。
自分で言うのもなんですが、ここまで両蒸留所の技術と経験を持ち寄って造られた蒸留所はこちらだけだと思います。
これだけですと両蒸留所の二番煎じみたいに感じてしまうかもしれませんが決定的に違う点があります。
それは熟成環境を始めとする阿蘇久住のロケーションにあります。
我々のようなウイスキーの造り手に出来ることは、ウイスキーの中の1割~1.5割程度しか御座いません。
殆どは熟成環境で決まってきます。我々製造者はスピリッツの方向性をどこに持っていくかという所だと私は考えております。
その点は次回の2回目にレポートさせて頂けたらと思います。
久住蒸留所はあまり精力的にプロモーションをしておりませんので(笑)
今回は顧問である私が出来る限り、久住蒸留所の現在とこれからをお伝え出来たらなと思います。
ウイスキーガロアやウイスキーマガジンのWEBにも久住蒸留所の記事が御座いますので、
是非ご覧頂けたらと思います。
http://whiskymag.jp/kuju_01/
初日は到着が18時過ぎ頃となってしまいましたので、製造終了後の外観の画像を。
【久住蒸留所では一般見学は現在受け付けておりませんので、外からでしかご覧頂けません。】
毎日夜10時までポットスティルがライトアップされています。
初めて見た時、あまりのカッコよさに感動したのを覚えています。
(昼より夜の方がオススメです☆)
ではまた明日19時位に2回目をアップする予定です。
明日以降も長文になるかと思いますが、読んで頂き有難う御座いました。
ご興味ある方は明日お付き合い下さい。
加藤